06.スケジュール
綿密なスケジュールの策定が不可欠です。
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科学的P4S活動 活動スケジュールの策定について
科学的P4S活動を、単なる「一過性の大掃除」で終わらせず、病院経営と安全管理に直結する成果を出すためには、綿密なスケジュールの策定が不可欠です。本活動は、準備から定着までを約4〜5ヶ月のサイクルで回す標準モデルを推奨しています。
1. スケジュール作成の「必要性」
多忙な医療現場において、行き当たりばったりの活動は必ず頓挫します。以下の3つの理由から、事前に計画を立てることが重要です。
• 「やりっ放し」の防止(継続性の担保): 従来の5S活動の失敗例として多いのが、一度片付けて満足し、すぐに元の散らかった状態に戻る(リバウンド)ことです。計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)のPDCAサイクルをあらかじめスケジュールに組み込むことで、活動を定着させます。
• 科学的な「効果測定」の実施: 本活動の肝は「科学的根拠」です。改善後の成果(時間短縮や在庫削減)を証明するためには、活動前(Before)に現状のデータ計測や写真撮影を行う時間を確保しなければなりません。後からでは「改善前の状態」は記録できないため、スケジュール上の必須工程となります。
• 多忙な現場への配慮: 「時間がある時にやる」というスタンスでは、忙しい現場では永遠に実行されません。「いつ、誰が、何をするか」を明確にし、業務時間内に活動時間を確保することで、職員の負担を管理します。
2. 具体的なスケジュールの作成方法(標準モデル:4〜5ヶ月)
活動は以下の5つのフェーズ(段階)に分けて進めます。
フェーズ1:準備と現状診断(開始〜1ヶ月目) いきなり捨て始めず、まず現状を科学的に把握します。
• キックオフ: 病院長や統括責任者が、活動の目的とフィロソフィー(理念)を全職員に宣言します。
• 現状診断(Before計測):
o 定点撮影: 散らかった場所、危険な箇所を写真・動画で記録します。
o データ計測: 「探し物に費やす時間」「在庫量」「ヒヤリハット件数」などの現状値を測定し、数値化します。
o 5Sチェック: 現場観察シートを用いて、現状のリスクを洗い出します。
フェーズ2:P4S設計とルールの策定(2ヶ月目) 活動の基準(ものさし)を作ります。
• フィロソフィーの共有: 「眼科としての約束」など、部署ごとのスローガンを決め、意識を統一します。病院のフィロソフィーがあれば、それを共有します。
• ルールの策定:
o 整理基準: 「1年以上使っていないモノは廃棄する」等の明確な基準を決定します。
o 整頓基準: 「床に直置きしない」「表示(ラベリング)の統一ルール」などを策定します。
• パイロットエリアの選定: 効果が見えやすく、安全と収支へのインパクトが大きい場所(例:検査室、倉庫)をモデルエリアとして選定します。
フェーズ3:パイロット実施(3ヶ月目) 実際に手を動かし、物理的環境を変えます。
• 赤札作戦(整理): 不要なモノに赤札を貼り、一時保管場所へ移動または廃棄します。
• ワークショップ形式での整頓: 現場スタッフが集まり、使いやすい配置への変更、ラベリングを行います。
• 小サイクル改善: 「やってみて、不便なら直す」を1〜2週間単位で繰り返し、最適解を見つけます。
フェーズ4:全体展開と標準化(4ヶ月目) 成功事例を共有し、組織全体へ広げます。
• 成果共有会: パイロットエリアでの「Before/After写真」や「削減できた時間・コスト」を発表し、他部署のモチベーションを高めます。
• 標準化: うまくいった配置やルールを写真付きのマニュアル(標準書)に残します。
フェーズ5:評価と定着化(5ヶ月目以降) 成果を確認し、文化として根付かせます。
• 最終効果測定(After計測): 再度、時間や在庫量を計測し、Beforeと比較して「どれだけ経営と安全に貢献したか」を数値レポート化します。
• 定着策: 新人研修への組み込みや、年次点検のスケジュール化を行います。
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このスケジュールに基づき、一歩ずつ着実に進めることで、精神論ではない「科学的かつ継続可能な改善」を実現します。