08.整理

要るものと要らないものを分けて、要らないものを捨てること
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科学的P4Sにおける「整理(Seiri)」の定義と実践
 私たちの目指す科学的P4S活動において、「整理」は単なる大掃除や不用品処分ではありません。それは、業務の安全性と効率性を最大化するための「戦略的な選択(Selection)」のプロセスです。
1. 科学的「整理」の定義
 一般的な整理は「要るものと要らないものを分けて、要らないものを捨てる」ことですが、科学的P4Sではさらに一歩踏み込みます。
科学的整理とは: 「安全で効率的な業務遂行に必要な『モノ・情報・手順』をデータに基づいて定義し、それ以外を現場から排除すること」
 「もったいないから」「いつか使うかもしれないから」という感情や曖昧な予測ではなく、使用頻度やリスクという科学的根拠(データ)に基づいて判断することが最大の特徴です。
2. なぜ「整理」が最優先なのか(科学的根拠)
 整理が不十分なまま、モノをきれいに並べる(整頓)ことは無意味です。不用品がきれいに並んでいても、それは「整列」に過ぎず、以下のムダやリスクを温存し続けることになるからです。

• 探すムダの排除: 不要なモノが混在していると、必要なモノを見つけるまでの時間(探索時間)が増大し、思考の中断を招きます。
• ヒューマンエラーの低減: モノが溢れている環境は認知負荷を高め、取り違いや見落としなどのミスを誘発します。
• スペースとコストの適正化: 不用品が占有しているスペースは「家賃」のムダであり、過剰在庫はキャッシュフローを悪化させます。
3. 判断のための「科学的基準」
 「要る・要らない」を個人の感覚で決めないために、以下の客観的基準を導入します。
① 時間軸(使用頻度)による分類 過去の実績データに基づき、モノを分類します。
• Aランク(必須): 毎日~週1回使うモノ → 現場の手の届く範囲に置く。
• Bランク(準必須): 月1回~数ヶ月に1回使うモノ → 現場の共有棚や近くの倉庫へ。
• Cランク(不要): 半年~1年以上使っていないモノ → 「廃棄」または「現場外へ移動」。
② 状態・機能による分類
• 機能不全: 壊れている、修理コストが見合わないモノは即時処分。
• 期限切れ: 薬剤、滅菌物、掲示物などで期限を超過したモノは、ルールの例外なく処分。
4. 実践手法:「赤札作戦」の活用
 頭の中で考えているだけでは整理は進みません。視覚的に判断するために「赤札作戦」を実施します。
1. 赤札を貼る: 要不要の判断に迷うモノ、長期間動いていないモノに「赤札」を貼ります。
2. 一時保管(猶予期間): 赤札品を一時保管場所に集め、期限(例:1ヶ月)を設けます。
3. データによる判定: 期限内に誰も使わなかった(必要性を主張しなかった)場合、そのモノが「不要である」ことが客観的事実として証明されます。これにより、感情論を排した処分が可能になります。
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【皆さんへのお願い】 整理は、過去の遺産を否定することではありません。「今の私たちのミッション(フィロソフィー)」にとって、何が本当に必要なのかを選び抜く作業です。 まずは身の回りの、「1ヶ月以上触れていないモノ」に目を向けることから始めていきましょう。


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