2023年11月30日、国家公務員共済組合連合会主催 第17回医療安全管理者研修集合研修が行われました。国家公務員共済組合連合会に所属する全国の病院の医療安全担当者が虎の門病院に集合し、二日間の集合研修に参加しました。
筆者が講師として担当したImSAFER分析実習のために、各病院の参加予定者は10月~11月の期間にオンデマンド講義を視聴してもらいました。その後、11/30(木)~12/1(金)の2日間、虎の門病院で開催する集合研修に参加していただきました。
今回は第17回ということになります。ということは、17年目の開催と言うことになります。
最初の開催は2006年6月26日月曜日から6月30日金曜日まで開催されました。筆者の担当は6月28日木曜日午前9時から午後7時までした。
当時の開催場所は、虎の門病院分院 1号棟4階 シミュレーション・ラボセンターでした。企画指導は当時の国立保健医療科学院 長谷川敏彦先生で、企画は当時の虎の門病院
副院長シミュレーション・ラボセンター長の中西成元先生でした。内容は「ヒューマンエラー事象分析方法:Medical-SAFER -分析から対策立案までの手順-」でした。この「Medical-SAFER」はその後、改良を加え、今日の人間の行動モデルを取り入れたものになりました。
分析実習はグループで行いました。一般的に医療関係者は熱心ですが、今回もグループで分析をしていただき、職種に関係なくコミュニケーションが十分とられている様子が見られました。
今回の分析コースは、人間の行動モデルに基づく分析手法であるImSAFER Basicコースでした。
国家公務員共済組合連合会では、来年3月に、Basicコースと本格的な事故分析にも使えるAdvanceコースの開催が予定されています。
病院の医療安全管理者(GRM)は、院内で「医療に起因すると考えられる原因不明の死亡事例」が発生した時には、院内で調査を行わなければなりません(医療事故調査制度)。院内調査委員会におけるGRMの役割は極めて重要です。調査における分析の考え方や報告書に関する基礎知識や技術を習得していただき、理に適った再発防止策を提言していただきたいと思います。