Jan 10 / KAWANO Ryutaro

第9回 医療安全推進支援ZOOMミーティング 羽田空港事故の分析にImSAFER®が使えるか?

jp3exe氏撮影
2024年1月10日に、定例の第9回医療安全推進支援ZOOMミーティングを開催しました。
これまで「科学的P4S活動の勧め」というテーマで、病院の5S活動をどのように進めて行けばいいのか、また、根拠を明確にして、なぜ、その方法がよいのかを科学的な視点で推進していくことについて議論してきました。
ところが、2024年が始まり、いきなり大きな自然災害と事故が発生しました。そこで、今回は急遽、テーマを変更して、羽田空港事故にはヒューマンエラーが関係していたと考えられることから、「ImSAFER®分析手法が航空機事故調査にも利用できるかどうか」についてミーティングを開催しました。
私の契約しているZOOMのバージョンでは100名の参加という限界があります。今回はそれを超える参加があり、一部の参加希望の方にはミーティングに入ることが出来ず、大変失礼いたしました。

ImSAFER®は、航空機事故にも適用できる

ImSAFER分析手法は、医療のヒューマンエラーの関係した事象の分析手法として開発されました。医療以外の適用はほとんどされていませんでしたが、今回、羽田空港事故の当事者である、海上保安庁機のパイロット、羽田空港のタワー管制官、そして、日本航空機のパイロットの行動分析に利用してみました。
その結果、十分に使えることが分かりました。
私の講義の部分をYouTube動画とリンクしましたので、それをご覧ください。

くれぐれも注意:この分析は情報があまりない段階で行われたことをご理解下さい。

すべては事故調査委員会の調査結果を読めば分かると思いますが、1月9日までに得られた情報(公開された管制官とパイロットの交信記録、報道など)をベースに分析しています。従って、間違っていること、分かっていなかったことが今後明らかにされるとおかしな部分が出てくると考えられます。これついてはご容赦下さい。
Write your awesome label here.

人の判断と行動に関する事象には適用できる。

自然災害を除けば、世の中で起こっていることのほとんどは人間の判断と行動が関係してます。ImSAFER分析手法は「人間の行動モデル」に基づく分析手法ですから、医療におけるヒューマンエラー事象はもちろん、労働災害事故、システム事故、会社の不祥事までも適用できると考えられます。
ただし、適用においては、ImSAFER分析手法の手順の理解よりも、その基礎となっている人間の行動モデルを十分理解していただき、事例に適用していただきたいと思います。
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