KAWANO Ryutaro

人工知能の能力がすごい!

公開されて以来、大きな話題となっているものに、人工知能を使ったサービスであるChatGPTです。
医療事故の分析に使えるかどうか試してみましたので、その結果を報告します。
完全ではありませんが、質問する側が知識を持っていればかなり利用できると思いました。

以下、私とのやり取りです。

私:
この事例のエラーの原因を教えてください。

新人看護師Dが、医師Eの指示書に従い、薬剤XXを生食500mLに入れて準備した。
看護師Dは決められた手順に従い、患者の名前を確認して、点滴を始めた。
引き継ぎ看護師Fが巡視の時に点滴バッグを見ると、110mLと書いてあった。「これまでの量と比べて多いな」と思った。
調べてみると、指示書では10mLの薬剤が110mLとなっていた。


ChatGPT(AI)の答え
この事例のエラーの原因は、医師Eの指示書に誤りがあり、新人看護師Dがそれに従って薬剤を準備したことによるものです。引き継ぎ看護師Fが確認したところ、点滴バッグに書かれていた薬剤量が指示書と異なっていたことから、エラーが見つかりました。



医師Eの間違いではありませんでした。ほかに考えられる原因は何ですか

ChatGPT(AI)の答え
この事例では、医師Eの指示書に誤りがないと説明されています。そのため、以下が考えられる原因です:
1.薬剤の準備過程で誤りがあった:新人看護師Dが薬剤を準備する際に誤りがあった可能性があります。例えば、薬剤を入れる容器に間違った量を入れてしまったなど。
2.点滴バッグに書かれた数字に誤りがあった:点滴バッグに書かれた数字が正確でない可能性もあります。
3.記録の誤り:看護師Dが記録をとる際に誤りがあった可能性があります。
これらはあくまで推測ですので、正確な原因を特定するには、詳細な調査が必要です。



医師Eの指示書の書き方に問題があったと思いますか?

ChatGPT(AI)の答え
この事例からは、医師Eの指示書の書き方に問題があったかどうかはわかりません。新人看護師Dが指示書に従って薬剤を準備した結果、点滴バッグに書かれた薬剤量が指示書と異なっていたことから、指示書に誤りがあった可能性もあります。しかし、他の要因(薬剤の準備過程での誤り、点滴バッグに書かれた数字に誤りがあった、記録の誤りなど)も考えられます。正確な原因を特定するには、詳細な調査が必要です。


私:
看護師Dの知識不足の可能性はありますか?

ChatGPT(AI)の答え
看護師Dの知識不足が原因で、薬剤の準備や点滴の開始に誤りがあった可能性はあります。新人看護師であることから、経験や知識が不足している場合があります。また、薬剤の使用に関する知識や技術、指示書の読み方などにも不安がある場合があります。これらの可能性は考慮されるべきですが、正確な原因は詳細な調査が必要です。


私:
医師Dの指示書には、「(薬剤XX)10mL」と書かれていました。これを看護師Dが読み間違える可能性はありますか?

ChatGPT(AI)の答え
医師Dの指示書に「(薬剤XX)10mL」と書かれている場合、看護師Dが読み間違える可能性はあります。特に、看護師Dが経験や知識が不足している場合、指示書を読む際に誤りが生じる可能性が高くなります。また、薬剤に関する知識や技術に不安がある場合、指示書を誤って読む可能性もあります。このような場合、看護師Dに対して適切なトレーニングや指導が必要です。


私:
看護師Dが「(薬剤XX)10mL」の右側の「)」を「1」と読んだ可能性はありますか?

ChatGPT(AI)の答え
看護師Dが「(薬剤XX)10mL」の右側の「)」を「1」と読んだ可能性はあります。特に、字が小さい場合や見にくい場合など、誤って読んでしまう可能性があります。このような場合、指示書に記載された内容が正確に理解されないことにより、誤りが生じる可能性があります。このような場合には、適切なトレーニングや指導が必要です。


私:
看護師Dに対するトレーニングですか?あるいは、医師Eに対するトレーニングですか?

ChatGPT(AI)の答え
両方に対するトレーニングが必要です。
看護師Dは、医師Eの指示書を正確に読み、理解するためのトレーニングが必要です。また、指示書を書く際には、明確かつ正確な記述を心がけることが求められます。そのため、医師Eにもトレーニングが必要です。
両者ともに、医療事故防止のために必要なスキルを学ぶことが大切です。

予想通りの展開に

私が自治医科大学医学部メディカルシミュレーションセンターに勤務していたころ、医学部の3年生の「鑑別診断」の授業の手伝いをしたことがあります。
5,6人のチームに、鑑別診断のやり方を学習してもらう授業です。
私の手元にはファイルがあり、そこに検査データなどが一式ありました。
まず、学生たちに「18歳の男性、2,3日前から頭痛すると訴えています。
体温は、、、、」というような一枚の紙を渡します。
すると学生たちが、「血液検査が必要です」というと、ファイルから、血液検査データを学生たちに渡します。
すると、学生たちは議論を始め、「胸部レントゲンが必要です」というと、ファイルから、胸部レントゲン画像を出すのです。
こうやって、学生たちが最終結論を出す、という授業でした。

このやり方はプロダクションルールといい、第二世代のAI研究で用いられたもので、当時、MYCINという抗生剤のプログラムが作られていました。
当時、Lispというプログラム言語で作られていました。
私もそれを真似てプログラムを書いていたことがあります。しかし、当時は計算速度が遅くて使いものになりませんでした。
この経験から、医学部の学生たちの「鑑別診断」の授業では、「これはいずれAIのほうが優れた結果をだすようになるだろうと」と予想していました。

社会に大きな変化が現れるでしょう

ものすごいですね。これは革命的です。
AIと対話をしながら原因を絞っていくことができます。たぶん、話しかけると、音声で答えるようになると思います。

そのうち、「昨日から熱が37.6度あって、頭が痛い。原因は何ですか?」と聞くと、

ChatGPT(AI)の答え
いろいろな可能性がありますから、私の方からの質問です。
体の中で痛いところがありますか?

私:
関節が痛いです。

ChatGPT(AI)の答え
わかりました。次の質問です。くしゃみがでますか?

私:
でます。ちょっと寒気がします。
・・・・・

こうやって、鑑別診断がAIでできる時がすぐにやってくると思います。
普通の会話でできるようになるでしょう。

弁護士、会計士、コンサル業、医師などの知的と言われる分野で大きな変化が現れると思います。
すごい時代になりました。
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