11.評価・発表会
得られた知見を組織全体で「共有(発表)」することが大事です。
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科学的P4S活動における「評価」と「成果発表会」の実施について
科学的P4S活動は、「整理・整頓・清掃・清潔」を実行して終わりではありません。最後に必ず、その結果を科学的に「評価」し、得られた知見を組織全体で「共有(発表)」する必要があります。 これは、次の改善へのエネルギーを生み出し、活動をマンネリ化させないための必須プロセスです。
1. 活動の「科学的評価」について
「きれいになった気がする」という主観的な感想ではなく、データと事実に基づいて成果を検証します。
① なぜ、評価が必要なのか(必要性)
• 「科学的」であることの証明: 本活動は精神論ではなく「科学」です。どれだけリスクが減り、どれだけムダが削減されたかを数値や視覚的証拠で証明することで、活動の正当性を担保します。
• モチベーションの維持: 「頑張った結果」が可視化されることで、職員は達成感を得られ、「やってよかった」という肯定的な感情(成功体験)を持つことができます。
• リバウンドの防止: 定期的な評価(監査)の仕組みがあることで、元の乱雑な状態に戻ることを防ぎます。
② 具体的な評価方法
• Before/Afterの比較(可視化): 活動開始前に撮影した写真(Before)と、改善後の写真(After)を並べて比較します。これが最も効果を実感できる方法です。「百聞は一見に如かず」であり、劇的な変化を視覚的に共有します。
• 定量的データの測定:
o 時間: 「探し物に費やす時間」や「準備にかかる時間」が何秒短縮されたかを計測します。
o 空間・コスト: 廃棄した不用品の量(トラック何台分か)、削減できた在庫金額、創出されたスペース(平米数)を算出します。
o 安全: ヒヤリハット件数の減少推移を確認します。
• 職員満足度アンケート: 「働きやすくなったか」「チームワークは良くなったか」といった主観的評価もアンケートで数値化し、「前向きな姿勢になった」等の変化を捉えます。
2. 経験の共有化(成果発表会)について
各部署で得られた成果やノウハウを、自分たちだけのものにせず、組織全体(あるいは地域全体)で共有します。
① なぜ、発表会が必要なのか(必要性)
• 「いいとこどり」の促進(横展開): ある部署の成功事例は、他の部署でもそのまま使える「正解」である可能性が高いです。他部署の知恵を真似する(TTP:徹底的にパクる)ことで、ゼロから考える労力を省き、病院全体のレベルを一気に引き上げることができます。
• チームワークと一体感の醸成: 発表会を通じて、普段交流の少ない部署同士がお互いの努力を知ることで、病院全体の一体感や連帯感が生まれます。実際に活動を行った病院では、発表会が非常に盛り上がり、明るく活動できたと報告されています。
• マンネリ化の打破: 活動が一段落すると、「祭りの後」のように熱が冷めてしまうことがあります。発表会というイベントを設定することで、継続的な改善への刺激を与えます。
② 具体的な実施方法
• 「自慢話大会」の開催: 堅苦しい学会形式ではなく、「私たちの部署はこんなに改善した!」という「自慢話大会」として開催します。楽しくポジティブな雰囲気で行うことが重要です。
• 動画(プロモーションビデオ)の活用: PowerPointだけでなく、改善前後の様子や、スタッフが実際に動いている様子を動画(YouTube等)で共有します。動画は記憶に残りやすく、また欠席者も後で見ることができます。
• 表彰制度(アワード): 「最も劇的に変わったで賞」「ユニークなアイデア賞」「フィロソフィー賞」などを設け、病院長や理事が表彰します。トップが評価することで、活動の重要性が再認識されます。
• 標準化(マニュアル化): 優れた取り組みは「標準マニュアル」や「チェックリスト」として文書化し、他の部署でも使えるように「ツールキット」として共有します。
• 「失敗事例」の共有: 成功だけでなく、「やってみたけれど失敗した」「ここが大変だった」という苦労話も共有します。これはこれから始める部署にとって貴重なアドバイスとなります。
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結論:評価と発表が「文化」を作る
「やりっ放し」は活動を風化させます。 「科学的に測り(評価)、楽しく自慢し合う(発表)」。 このサイクルを回すことで、科学的P4S活動は単なる業務改善手法を超え、「職員が自ら考え、互いに高め合う組織文化(フィロソフィー)」へと昇華されていきます。
まずは、身近な「Before/After写真」を1枚撮ることから、評価の準備を始めましょう。